世界の鍼灸をのぞく
こんにちは。ひだまり堂の中島です。
休みの日は相変わらず映画を映画館や家で見たりすることが多いのですが、
最近見た海外ドラマと映画になんと立て続けに鍼灸治療が登場しておりました。
韓国ドラマや中国の映画に鍼灸が登場することは多くあれど、洋画とアメリカドラマにこんな立て続けに出てきたことはあまりなかったので、テンションが上がってしまいました。
ところで、みなさんは世界の鍼灸事情はどんな感じかご存知でしょうか?
鍼灸治療が盛んな国と言えば?と聞かれると、日本や中国、韓国のイメージがあると思います。
他の国ではどうなんでしょう・・・
実は鍼灸治療は世界の約53の国々で行われています。その中でもアメリカ、オーストラリア、メキシコ、ニュージーランド、ドイツの国々では特に盛んというから意外ですよね。
ドイツなんかは10人に1人の医者が治療に鍼灸を取り入れているというデータもあるとか。
そんな世界的にも盛んな鍼灸ですが、それぞれの国で鍼灸師を取り巻く環境は大きく異なります。
今日は最近特に鍼灸のニーズが高まっているアメリカの鍼灸事情をちょこっとお話ししようかと思います。
アメリカは50の州が集まっている国ですが、その中でも鍼灸が盛んにおこなわれている州は
カルフォルニア州、フロリダ州、ニューヨーク州の3つです。
それ以外の44州ではまぁまぁ盛んに、残りの3州では未だに鍼灸が行われていないとか。
アメリカは一つ一つの州が一つの国の様なものなので、法律も州によって異なります。
鍼灸師免許の法律も異なる為、アメリカで鍼灸を行う為に必要な資格は、どこで行うかによって以下2つの資格にわけられています。
①カルフォルニア州にのみ認可されている資格
②カルフォルニア州以外の46州で認可されている資格
①はカルフォルニア州で鍼灸治療をする際に必要な資格で、一般の人でも決められたカリキュラムや試験をパスすれば取得可能です。
②は取りたい!と思っても、医師の指示のもと(推薦みたいなものでしょうか)でないと取得できないことになっているそうです。
②は「MCCAOM試験」といういくつかの科目が集まった試験を受けるのですが、どの州で鍼灸治療を行うかによって必須科目が違ってくるので、しっかり下調べしないと大変なことになるとか!
ちなみに日本人でも普通の4年生大学を卒業していれば漢方医学の科目以外は受験可能だそうです。
同じ国の中でもこんなにちがっているとは、なんだかややこしいですね・・・
ちなみに日本で鍼灸師となるには、「はり師」「きゅう師」それぞれの国家資格が必要です。ほぼ試験内容は同じですがはり師に合格するには「はり理論」。きゅう師に合格するには「きゅう理論」、それぞれ10問ある問題をクリアしないと、たまに「はり師」だけ受かって「きゅう師」は落ちてしまった・・・なんてことが起こりえます。合格率もそれぞれ算出されてますしね。
なので鍼灸師の免許証は「はり師」と「きゅう師」の2枚所持しているんです。はじめて「はり師」か「きゅう師」のどちらか不合格となることもある事実を知った時は変なプレッシャーを感じたのを覚えています。
日本の鍼灸技術は独自の細い鍼を用いて痛みが少なく繊細な治療だと、世界的にも注目されています。以前勤めていた治療院にも何度か海外から見学に来ている鍼灸師がおりました。その時
「日本の鍼灸はすごく日本人らしい施術だね!」
と感激されていたのをよく覚えています。
国によって資格をはじめ、治療の仕方まで様々な部分で違いがあるから面白いですね。
ちなみに今回見た海外ドラマと映画の中での鍼灸は、やや魔術的な役割でかかれていました笑
心が不安定な主人公の本当の気持ちを引き出すために、
「君は心に不安があるんだろ?」
「今心の扉を開かせてあげるよ」
などと言いながら鍼をしていきます。すると主人公は本当に心を開いたのか、涙を流しながら今まで全く話せなかった心の闇の部分を話していく・・・
といった感じでした。これはどう見ても魔術的!少し笑ってしまいました。
もちろん現行の海外鍼灸治療は、日本と同じく「肩こり」「腰痛」など、辛い疾患を治療する為に行われている事が多いとは思いますが、昔から西洋医学が主軸の欧米諸国では、東洋医学が不思議な力、魔術のようにとらえられやすいのかもしれませんね。確かに鍼灸師となった今でも摩訶不思議だなーと思うことが多くある程ですので。魅力的な鍼灸治療は今後さらに世界で活躍すること間違いなし!今後の発展が楽しみな「歴史ある、新しい医療」なのです。
明日は休診日となります。ご予約はHPよりお願い致します。
週末のご予約は混み合ってきておりますのでお早めにどうぞ。
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